文芸春秋の歴史的誤報
マルコポーロ廃刊の教訓は生かされているか?
文藝春秋社発行の「週刊文春」(平成23年9月8日号)に掲載された「統一教会日本から『4900億円送金リスト』を独占入手!」と題する石井謙一郎記者の記事は、伝聞と憶測に基づく偏向した記述が多数みられ、当法人及び記事に登場する関係者の名誉を著しく毀損し、また統一教会信者の心情を踏みにじるものである。
文藝春秋社の報道はこれまでも関係者を深く傷つけてきた。
その代表的な例が、同社発行の月刊誌「マルコポーロ」1995年2月号である。
問題となったのは「戦後世界史最大のタブー。ナチ『ガス室』はなかった。」というタイトルで掲載された記事で、筆者は医師の西岡昌紀氏。
「ユダヤ人大量虐殺は作り話」「アウシュビッツにも他のどの収容所にも処刑用ガス室などは存在しなかった」と断言したのである。
この記事に対し、米国の代表的なユダヤ人権擁護団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」とイスラエル政府が強く抗議。
国際的な批判が高まるのに伴い、文藝春秋社はユダヤ人権擁護団体に謝罪し、「マルコポーロ」廃刊と同誌2月号の全面回収、花田紀凱編集長らの解任を決めた。
日本の大手出版社が、掲載記事に対する抗議で雑誌を廃刊するのは前代未聞の出来事であった。
あの「マルコポーロ」廃刊という大失態、「文春の悲劇」とも呼べる一連の事件から、文藝春秋社はいったい何を学んだのか。
今回の「週刊文春」記事は、当教会の教祖・文鮮明師ご夫妻を「ギャンブル狂い」と呼び、当教会が東日本大震災を「献金を募る口実」として利用しているなどとウソを連ねている。
「言論の自由」の名のもとに事実無根の報道を繰り返し、どれだけ多くの人々を傷つければ気が済むのだろうか。
「マルコポーロ」誤報事件で引責辞任した文藝春秋社の田中健五社長は当時、「今後このようなことが起きないよう、調査報道の内容をチェックする社内のシステムを見直したい」と語っていた。
しかし、事実確認をないがしろにし、「売れればいい」式のセンセーショナリズムに走る同社の体質は、まったく変わっていない。
これでは、第2の「マルコポーロ」誤報事件を引き起こす日も遠くはないだろう。
1993年3月の「山崎さん失踪事件」の際、「週刊文春」は販売部数を飛躍的に伸ばした(花田紀凱著『花田式噂の収集術』124ページ)。
山崎浩子さん失踪事件を契機として、統一教会信者に対する強制的脱会説得事件は急増し、今もなお続いている。
文藝春秋社の歪曲・ねつ造記事が、このような人権侵害に利用されるのを危惧する。
「マルコポーロ」誤報事件と同様、深刻な人権侵害から目を反らさないで欲しい。
週刊文春偏向報道、追及第2弾